医療機器営業の仕事内容
今回は、医療機器の営業マンの仕事内容について書いていきます。
医療機器業界で働いてみると、働く前のイメージと違う点も結構ありました。
そこで実際にどのように働いているか説明していきます。
他の業界からすると、不思議な点も多々あると思います。
①1日の訪問件数
まず、訪問件数に関してですが平均して1日2〜5件です。
他業界の方からしてみると、想像より少ないと思います。なぜ、このくらいの訪問件数になるかというと、医者と面会出来る時間は非常に限られているからです。
基本的には午前診察の後、午後診察の後が面会時間になっていることが多いです。
例えば、12時過ぎに面会→移動→12時半に面会→移動→17時時に面会→17時半に面会
といった感じの動きですね。
なので、午前診察が終わって、午後診察が終わりかけの面会出来る時間まで、結構長い時間空き時間があります。
大体この間に昼食を食べたり、移動したり、PCで事務作業をしたり、という流れが多いです。
地方の担当だった場合は、病院と病院の距離が遠い為、午前診察後に1件、午後診察後に1件ということもあります。
しかし、この例のように医者に毎回会えるわけではありません。医者というのは忙しい仕事ですので、面会を断られることも多くあります。その為、1日にほとんど面会が出来なかった、という日も出てきます。
他にも、医療機器メーカーの場合、取引のある卸会社に訪問も行います。
(医療機器ディーラーと呼ぶことが多いです。)
医療機器ディーラーを訪問するのは朝の時間帯か、営業マンが会社に戻ってくる夕方以降が多いです。そこで情報交換や、新商品の案内、どこに提案していくかの打ち合せなどをやっていきます。
②面会方法
面会方法ですが、アポイントをとる場合と、取らない場合があります。
まず、アポイントを取らない場合ですが、病院の受付で名刺を出し、外来で待機して面会します。患者さんが少なくなってきたタイミングで名刺を出すのがポイントです。
患者さんが多いタイミングで名刺を出すと、先生にもスタッフの方々にも悪い印象を与えてしまうでしょう。あまりに患者さんが多い場合は、面会を控えて別の日に出直すこともあります。
医療業界では、最初の面会で名刺をお渡ししても、毎回受付に名刺を提出します。
私は慣れるまで、毎回名刺を出すなんて、独特な業界だなぁと感じていました。
次に、アポイントをとる場合は事前に電話でアポイントをとって訪問します。
多忙な先生のアポイントをとる場合は、1ヶ月以上前からアポイントをとることも必要です。そのような先生の場合は、面会日が決められていることが多いです。
(第一金曜日の夕方のみ、など)
他の面会方法としては、医局前で待ち伏せして面会するという方法もメジャーな方法です。一般的に医局立ちと呼ばれています。
医局というものが何か聞き慣れないと思いますが、医者たちが集まっている部屋のようなところです。職員室をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
医者の出勤前に医局前に立って面会したり、診察が終わって医局に戻ってくる医者を待ち伏せして面会する、というような面会方法です。
医局前には医療機器メーカーだけでなく、MR(薬の営業マン)の方も多くいらっしゃいます。
ただし、最近の傾向としては医局立ちを禁止している病院も増えてきました。 恐らく病院で事件などが増えてきているので、なるべく部外者の方が病院の内部に入れないようにしているんだと思います。
③営業方法
営業方法は、カタログや資料を作成し、先生に提案に伺います。
そこで先生に興味を持ってもらえたら、デモを行うという流れになります。
この業界では、大型の器械をいきなり購入することはほとんどありません。まずデモを行い、使用していただくことになります。
デモとは、貸し出し器械を病院に置いておき、しばらく無償で使用していただくことです。
車に例えると、車を買うかどうか検討したら、その買いたい車を1ヶ月くらい無料で借りることができる、といったイメージです。
ですので、医療機器の営業は、まずはデモを行わせてもらうことを目標に行動することになります。
そしてデモ中には、実際に病院の手術や検査で使用するので、手術の立会いや、検査の立会いが発生します。
手術の立会い中に、器械についての質問や、この病気の手術にはどのような方法でアプローチをするのかといった質問を受けることもあります。
なので医療機器の営業マンには器械の知識、病気に対しての知識、その病気に対しての治療方法の知識が必要になってきます。想像よりも勉強することが多い仕事なので、勉強することが苦でない人、医療機器や病気について興味がある人が向いているでしょう。
④接待
最後は接待についてです。現在は基本的に接待は禁止となっています。
しかし、実際は抜け道があり、昔ほどではないですが接待は行われています。
大企業では、接待をしたことがバレると大問題になる可能性が高いので、接待を行っている人は少数だと思います。
それに、昔と比較しても接待を行ったからといって、商品を購入してくれる先生は減ってきています。ですので、昔ほど接待をするメリットは少ないのかもしれませんね。
以上が大まかな医療機器営業の仕事内容です。
参考になれば嬉しいです!
ではまた!